新百合ヶ丘総合病院【神奈川県川崎市】

婦人科トラブルと妊活について


総合病院で聞いてきました

晩婚化、晩産化で妊活をスタートする年齢が上昇しいます。そのため、婦人科のトラブルを抱えて不妊治療をする人が少なくありません。そんなとき、病気の治療と不妊治療をどう進めたらいいのでしょうか? 新百合ヶ丘総合病院でお聞きしました。

妊活中の婦人科疾患には、卵巣機能を守り、妊娠・出産を目指した治療や手術が必要です

 新百合ヶ丘総合病院リプロダクションセンターに通院する人の平均年齢は30代後半で、40才以上で体外受精を受ける人も少なくありません。高年齢での妊活では、想像外のトラブルを抱えることも。
「30代後半は子宮筋腫の好発年齢です。筋腫の位置と大きさによっては着床の妨げになり、妊娠すると筋腫で赤ちゃんのスペースが少なくなり、早産のリスクが高まります。そのため不妊期間が長い場合や年齢によっては、早めに手術で筋腫を取ることも考えます。術後3〜4カ月は体の回復を待ちますが、卵巣機能には影響がないので、その間に採卵し、胚(受精卵)を凍結保存することもあります」(田島先生)
 一方、卵巣に影響が及ぶことが多い子宮内膜症は、悩ましい問題。弱い卵巣刺激で卵胞を育て、採卵する方法が基本ですが、状況や年齢によって治療は違います。「再発のリスクを考慮し、卵巣を温存して妊娠できる可能性を考えながらの治療が必要です。当院では婦人科の治療とリプロダクションセンターでの治療は車の両輪と考え、一人ひとりに応じた治療を行なっています」(浅田先生)
 同院は、内視鏡検査・手術に力を入れている点も特長。卵管疎通性検査の結果、卵管が狭い場合などに実施する「卵管鏡下卵管形成術(FT)」、子宮内腔の検査である「子宮鏡」は日帰りか1泊入院で行ない、外来でもポリープ切除を同時に行なう場合もあります。また、おなかに3〜4カ所程度、小さな孔をあけて内視鏡を入れ、その画像を確認しながら治療を行なう「腹腔鏡下手術」の実績は、年間約800件を数えます。

急な入院にも対応するお産を扱う総合病院の強み

 総合病院で治療を受ける利点は、子宮外妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が発症した場合や、切迫流産などの入院対応が可能なことです。また、甲状腺や高血圧などの病気が見つかれば、担当診療科と連携して治療にあたります。「思春期から更年期、さらに老年期まで、女性の生涯にわたる悩みに対応する診療科を目指しています。子宮内膜症、子宮筋腫、子宮体がん、子宮頸がんなどの病気に対して、体の負担がより少ない低侵襲な診療をとり入れています。不妊治療は年齢がカギになるので、できるだけ早く受診するのをおすすめします」(浅田先生)
 不妊治療で妊娠した人がお産のために産科に入院すると、センターの看護師が訪ねることも。かかわるスタッフがたくさんいることは、患者にとって心強い限りです。

ドクターからのメッセージ

ドクターからのメッセージ 治療のことを忘れる心豊かな時間を過ごしましょう
治療に集中するとつらくなることもあるもの。その予防のためにも、治療以外の時間を作りましょう。おすすめは美術館めぐりや音楽会などの情操面での刺激や、ストレス解消をかねた運動です。そして毎日、夫婦で会話を。病気の治療は病院で、心の栄養は自分たちの笑顔で!

妊娠に影響する病気と治療法

子宮筋腫

症状

子宮にできる良性の腫瘍。子宮内膜に筋腫が突出していると、場所によっては受精卵が着床しにくくなることがある。妊娠すると筋腫が大きくなって、早産のリスクが上昇したり、常位胎盤早期剥離を起こしやすいとされる。

治療法

筋腫の大きさが5cm以上の場合は、妊娠中にトラブルを起こしやすいとされる。多くは腹腔鏡手術でとり除くことが可能。

子宮内膜ポリープ

症状

子宮内膜がエストロゲンの影響を受けて過剰に増殖してできるもの。ポリープのできる位置によっては、受精卵の着床を妨げることがある。子宮鏡検査で、その有無がわかる。

治療法

検査と同時にポリープを切除することが可能。日帰りまたは1泊入院での治療が一般的。

子宮内膜症

症状

子宮内膜と同じ組織が子宮以外の場所にできる病気。強い月経痛、排便時や性交時に痛みを感じることも。子宮内膜が卵巣内にたまって内出血を繰り返してできるのがチョコレート嚢胞、子宮の筋層内で増殖すると子宮腺筋症。卵子が育ちにくい、排卵しにくいなど、不妊原因に。

治療法

薬で一時的に月経を止める薬物治療やアルコール固定術などがある。また、腹腔鏡手術や開腹手術で増殖した部分をとり除く方法も。

卵管閉塞

症状

子宮からのびる卵管が詰まっている状態。精子が受精の場である卵管膨大部までたどりつくことができない。両方の卵管が閉塞すると自然妊娠は困難。また、卵管が狭くなっている場合を卵管狭窄という。子宮内膜症やクラミジア感染の炎症によるもののほか、原因不明も多い。

治療法

卵管を通す手術に卵管鏡下卵管形成術(FT)がある。全身麻酔を使うが日帰り入院が可能。年齢によっては体外受精が第一選択肢に。


  • リプロダクションセンター内の培養室。卵子や精子、受精卵などを管理する。顕微授精も行なわれる

  • 体外受精の採卵のあとに休憩する回復室。ゆっくり休めるように完全個室のつくりになっている

  • 産婦人科外来の待合室。奥まった場所にあり、ゆったりとした、明るい雰囲気。産科と婦人科がコーナーによってゆるやかに区切られている。月1回ペースで、体外受精セミナーを開催している(要予約)

新百合ヶ丘総合病院

  • 神奈川県川崎市麻生区古沢都古255
  • 044-322-9991(代表)/診療予約専用0800-800-6456
  • 9:00〜17:30(産婦人科)
  • 日・祝・年末年始
  • 小田急線「新百合ヶ丘」駅より徒歩10分「新百合ヶ丘」駅より直行バスで5分
  • http://www.shinyuri-hospital.com/