オリジナルの簡易体外受精で妊娠率アップ、
しかもあらゆる面での負担が軽減できます
●クロミフェン刺激のIVF(体外受精)。hMGは使いません
開業当時の住宅街の一角から、大曽根駅前へと移転。「通院しやすくなった!」とより多くの患者さんたちの評判になり、不妊治療の実績を重ねてきた旧・徳川レディスクリニックが、2005年1月より稲垣婦人科と病院名が変わりました。稲垣婦人科では一般の不妊治療から体外受精、顕微授精まで行っていますが、治療の主流として体外受精をあげています。
「当院は10年前からクロミフェン単独刺激の体外受精を行っています。これはオリジナルの刺激法で、私は簡易体外受精と呼んでいるんです」と稲垣院長。この方法をくわしく説明すると、月経開始3日前から結合型エストロゲン(プレマリン)を内服し、月経開始5日目以降よりクロミフェンを5日間内服するというもの。クロミフェンを内服してから7日目に超音波検査を行い、卵胞がある程度成長していればホルモン検査を実施します。そして成熟卵胞と推定した日の午後10時にGnRHa(スプレキュア)を点鼻し、34〜35時間後に採卵します。
結合型エストロゲンを内服すると卵胞ホルモンが高くなり、脳下垂体ホルモン(FSH、LH)の分泌が抑制されます。この状態では、一般に排卵は起こりません。このうえでクロミフェンを内服すると、クロミフェンのみの刺激で卵胞が育ち、調節性にすぐれた排卵周期になります。
クロミフェンの作用はくわしくは解明されていませんが、内服すると女性ホルモンを低下させ、さらに脳中枢などのエストロゲン受容体と結合して低女性ホルモン状態という錯覚を与えるので、脳内にある卵巣刺激ホルモンの分泌がふえて排卵を誘発すると考えられているそうです。
・この場合の卵巣刺激ホルモンは、その人の脳内に蓄えられているものが分泌されるので、それほど多く分泌されるわけではありません。そのため、注射のhMGにくらべてマイルドな効き方をするんです。ですから、卵巣過刺激症候群になることもまれなのです。
クロミフェンで子宮内膜が薄くなることを心配するかたもいらっしゃいますが、子宮内膜はクロミフェンを飲んで薄くなった場合と自然周期やhMG周期で薄い場合とでは、その原因も結果も違います。クロミフェンは抗女性ホルモンで子宮内膜に直接作用して内膜を薄くするので、妊娠に影響はありません。一方、自然周期で内膜が薄い場合は、子宮の血流量が少なかったり、内膜の発育不全があるので、不妊の原因につながるといわれているのです」
このオリジナルの方法によって、妊娠率は28・7%(187/652。平成15年6月〜16年12月までの治療成績)と、良好な結果です。
●一人一人の状況を把握して治療にあたる
「しかも、この方法を採用した受精卵の細胞分裂を観察すると、従来の体外受精よりきれいに細胞分裂しているんです」。自然周期やクロミフェンの周期では、卵巣刺激ホルモンは約60〜90分に1回分泌されています。しかし注射による排卵誘発は自分のホルモンを抑え、多量の卵巣刺激ホルモンを1日に1回打つことになります。「この卵子の発育環境の違いが、受精後の細胞分裂にも影響すると考えられます」。
さらに、クロミフェン単独刺激の体外受精では、穿刺卵胞が少ないので採卵時の危険性が少ない、hMGを打たないので1周期あたりの平均通院日数は5・7日と従来の半分以下、費用も一般の体外受精の半分程度、双子以上の妊娠が少ないので早産も少なく、ほとんど自然分娩できるなど、さまざまなメリットがあるそうです。
「体はもちろん、通院、費用などあらゆる面で患者さんの負担を軽減したいというのが当院の診療モットー。そのポリシーに、この簡易体外受精は最適な方法だと自負しています」。また、同じ考えで、体の負担になる遠距離の通院はおすすめしていないそうです。
●インターネット不妊相談?「不妊についての質問にネットでお答えします」
「不妊症について聞きたいけどクリニックに行くのは…」という方は同院ホームページ掲示板から不妊症質問コーナーへ。
院長が質問に答えてくれます。「うちに通院していない場合は妻の年齢と不妊期間などの情報を記入してください。過去ログを参照にすると質問もしやすいと思います」。
http://6113.teacup.com/shirotokugawa/bbs