単一胚盤胞移植で多胎を避け、安心して元気な赤ちゃんを産んでほしい。
ゴールは出産です
●不育症の治療やお産も。一貫して責任を負います
神戸アドベンチスト病院は、北六甲の豊かな緑にいだかれるように建つ急性期病院で、キリスト教の理念にもとづいて運営されています。創立当初から産科の病院としても評判の高い、この神戸アドベンチスト病院に、今年1月、不妊センターが誕生しました。
「最近は、『とりあえず妊娠するまで』の不妊治療だけを行う専門施設がふえていますが、ここは不育症などの周産期(妊娠中)のトラブルに対応する専門医もおりますし、お産もとり扱っています。私たちは、不妊治療のゴールは妊娠ではなく、あくまでも出産だという意識を持っているのです」と不妊治療部長の加藤浩志先生。
安心して妊娠できる健康な体づくりをサポートするためには、ただ単に生殖にかかわる臓器だけをみるのではなく、その人の持っている内科的な背景にもしっかり目を向ける必要があるといいます。「内臓に蓄積した脂肪が原因で、肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などになった状態をメタボリックシンドロームといいますが、この状態と不妊の間には深い関係があるといわれています。不妊治療を急ぐ前に内科的な問題の有無を見きわめ、トータルにサポートしていくことが、結局は出産への近道になるのです」
●過剰な卵巣刺激は不要。40才以上ならなおさら
体外受精や顕微授精を行う場合は、母子の安全に配慮して多胎妊娠を避ける最大限の努力をされているそうです。「受精卵を3個以上得られた場合には、胚盤胞まで育ててから、最も良好と思われる1個だけを厳選して子宮内に戻すべきだと考えています。このような単一胚盤胞移植と、初期胚を2個戻した場合とを比較してみても、妊娠率の差はほとんどありません」
さらに加藤先生は、ここまで採卵や培養の技術が上がったいま、卵巣の刺激法は、一人一人に合わせてこまやかに変えるべきだと考えています。「なかなか卵が育たなくなった40才代のかたなどは、月経周期によって卵巣の反応性の変動がはげしいのです。反応が悪い周期に排卵誘発剤を注射しつづけ、無理やり採卵を決行しても、結果は往々にして思わしくないもの。卵巣刺激後はしばらく卵巣を休ませなくてはいけませんから、そうこうしている間に機を逸してしまいがちです。むしろ、自然周期やクロミッド程度の軽い卵巣刺激のほうが、卵胞の発育ぐあいをみながらベストな周期をのがさずに採卵できる分、有利だと思いますよ。このような場合には、本人のホルモンの分泌を抑え込んでしまうスプレキュアなどの点鼻薬も使わないほうがよいでしょう。少々早めに採卵する必要がありますが、今の培養技術なら心配はありません」
また、夜間・休日・祝日の救急診療など24時間態勢がとられているので、万が一のOHSS(卵巣過剰刺激症候群)などの場合はもちろん、AIH(人工授精)や体外受精にかかわる注射や採卵、胚移植などは、診療時間にかかわらず、年中無休で対応してもらえます。さらに仕事を持つ女性にとってはうれしいことに、日曜診療があるのです。「日曜日は、初診のご夫婦も多いですね。ご主人にとっても、仕事を休まずにすむ分、一歩目を踏み出しやすいのでしょう」
実は、古くから子宝温泉との言い伝えがある有馬温泉までは、病院から車でわずか5分。日帰り湯もありますので、通院ついでにふたりで立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。